MPLAB X IDE で PIC18F14K50 にサンプルプロジェクトを書き込む

PICkit3

Microchip社の8ビットPICマイコンに統合開発環境 MPLAB X IDE を使ってサンプルプロジェクトを書き込みます。書き込むサンプルプロジェクトは「Device HID Mouse」です。マイコンボードをPCに接続するとマウスカーソルがぐるぐる回り始めます。記事の最後でmouse jigglerとしての利用方法を紹介します。
開発環境構築については、MPLAB X IDE と MPLAB XC8 Compiler のインストール手順 を参照してください。

  1. 用意するもの
  2. MLAのセットアップ
  3. サンプルプロジェクトの書き込み
  4. 動作確認
  5. mouse jigglerとして利用

用意するもの

1.ターゲットボードとして:超小型切手サイズPIC18F14K50マイコンボード
秋月電子で800円。長年ベストセラーのとても使いやすいマイコンボードです。
パソコン、スマホなどとUSB接続ができます。電源はUSBから供給可能です。

PIC18F14K50

2.書き込みツールとして:PICkit 3
定番の書き込みツールですが正規品は販売終了したようです。互換品がAmazonにたくさん出品されています。互換品の品質が心配な場合は Microchip PICkit 4 正規品 を使いましょう。
互換品では こちら が比較的安定しているようです。

PICkit 3

MLAのセットアップ

Microchip社のホームページから Microchip Libraries for Applications というライブラリをダウンロードします。
1.Microchip Libraries for Applications (MLA) | Microchip Technology にアクセスします。

MLAのWebサイト

2.ページを下にスクロールして、最新のWindowsバージョンの「D/L」をクリックします。

MLAのWebサイト

3.ダウンロードした mla_v2018_11_26_windows_installer.exe を管理者として実行するとセットアップが始まります。
「Next >」をクリックします。

インストール開始画面

4.「I accept the agreement 」をチェックして、「Next>」をクリックします。

ライセンス画面

5.インストール先は変更せずに「Next>」をクリックします。

インストール場所指定

6.Select Components 全部チェックして「Next>」をクリックします。

オプション選択画面

7.Start Menu Group Name 変更せずに「Next>」をクリックします。

メニューグループ選択

8.Ready to Intall で「Next >」をクリックするとインストールが始まります。

インストール開始
インストール中

9.ここで、PCにJavaが入っていない場合は、以下の表示が出ます。
「はい」をクリックしてJavaのインストールを開始します。

Javaの問い合わせ

10.Javaのダウンロードページが開きます。

JavaのWebサイト

11.ページを下にスクロールして「Agree and Start Free Download」をクリックします。

Javaダウンロード開始

12.ダウンロードした JavaSetup8uxxx.exe を管理者として実行するとJavaのインストールが始まります。

インストール開始

13.Javaが正常にインストールされたら「閉じる」をクリックします。

インストール完了

14.Javaのインストールが完了したら、Microchip Libraries for Applications のセットアップに戻ります。
「はい」をクリックします。

MLAのインストールに戻る
インストール開始

15.セットアップが完了したら「Finish」をクリックします。

インストール完了

16.リリースノートが開きますので、興味がある場合は読んでください。
リリースノートは C:/microchip/mla/v2018_11_26/doc/release_notes_mla.htm などのパスに保存されています。

サンプルプロジェクトの書き込み

1.MPLAB X IDE を起動し「File」→「Open Project」をクリックします。

MPLAB X IDE

2.C:\microchip\mla\v2018_11_26\apps\usb\device\hid_mouse\firmware\low_pin_count_usb_development_kit_pic18f14k50.x を選択し「Open Project」をクリックします。

ファイルの選択

3.「Projects」ウインドウの「USB_Device_-HID-_Mouse」を右クリックして「Properties」を選択します。

MPLAB X IDE

4.Connected Hardware Tool の「Show All」をチェックしてプルダウンメニューから「PICkit3」を選択し「OK」をクリックします。
「OK」がグレーアウトしている場合は MPLAB X を再起動します。

MPLAB X IDE

5.もう一度「USB_Device_-HID-_Mouse」の「Properties」を表示して「Categories」から「PICkit 3」を選択し、「Option Categories」を「Power」にして、「Power target circuit from PICkit3」のチェックボックスをチェックし「OK」をクリックします。
「Voltage Level」は3.375のままで問題ありません。

MPLAB X IDE

6.もう一度「USB_Device_-HID-_Mouse」の「Properties」を表示して「Categories」から「PICkit 3」を選択し、「Option Categories」を「Firmware」にして、「Use Latest Firmware」のチェックボックスをチェックし「OK」をクリックします。

MPLAB X IDE

7.マイコンボードとPICkit 3 を接続し、PICkit 3 とパソコンをUSBで接続します。

マイコンボードとPICkit 3を接続

8.「Make and Program Device 」ボタンをクリックします。

MPLAB X IDE

9.「PICkit3 not Found」が出たら「Show All」「PICkit3-SN:*****」を選択し[OK]をクリックします。

MPLAB X IDE
MPLAB X IDE

10.「Do you wish to continue?」には「OK」をクリックします。

MPLAB X IDE

11.「Output」の「PICkit3」ウインドウに「Programing/Verify complete」の表示が出たら書き込み完了です。

MPLAB X IDE

12.USBを抜き、PICkit3とマイコンボードを外します。

動作確認

マイコンボードをUSBでパソコンに接続します。
マウスポインター(カーソル)が勝手にグルグル回り始めたら成功です。

mouse jigglerとして利用

MPLAB X IDE で「Projects」ウインドウの「Source Files」の下にいる「app_device_mouse.c」を開き、172行目を以下のように書き換えて、マイコンボードにPICkit 3でプログラムを書き込みます。

//#define MOUSE_MOVEMENT_DISTANCE 400
#define MOUSE_MOVEMENT_DISTANCE 2

マウスカーソルの動きが極小になり市販のmouse jiggler(マウスジグラー)と同じように使うことができます。
これをPCに刺しておけば作業から離れている間にPCがログアウトしたりスクリーンセーバーに入るのを防ぐことができます。在宅勤務、テレワークで、Teamsが不在表示になるのを防ぎたいという場合にも使えます。カーソルの動きが物足りない場合は「#define MOUSE_MOVEMENT_DISTANCE 2」 の「2」をもう少し大きくしてみてください。使用は自己責任でお願いします。

参考文献
PIC18で始めるUSBデバイス自作 その1:サンプルプロジェクトを動かす – Qiita

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